もともと仕事が集中する時期であることに加えて諸事情があった絡みで、確定申告から3月決算と、怒涛の勢いで仕事に追いまくられていました。
それもあって、なかなかこのブログに掲載する文章を書いているだけの余裕が無かったのですが……
さすがに6月になってようやく多少の落ち着きを得ることができました。
そこで今回は、遅まきながら令和8年度税制改正項目の中で、当事務所の主たる関与先である中小企業者等に適用されるもので、特に注目しておくべきことについて、2点、簡単に紹介したいと思います。
<1>「少額減価償却資産」損金算入特例の見直し
税務会計上、その取得価額が10万円以上である固定資産を購入した場合には、一旦固定資産として計上し、その後、耐用年数に応じた償却率で減価償却をすることとされています。
一方で、従来、中小企業者等に関しては30万円未満の取得価額である場合に限り、固定資産とせずに一括でその期の損金とすることができるという特例が設けられていました。
とはいえ、これは無制限に適用できるわけではありません。
まず、その事業者の従業員数が500名以下でなければならず、また適用できるのも年間で総額300万円以内という縛りもあります。
そそこに注意は必要ですが、つまりこれは中小の事業者が少額の試算を購入した場合に、その事業年度の利益を引き下げて税額負担を減らすことで、投資行動を後押ししようという狙いのある政策になります。
令和8年の改正では、これが、取得価額40万円未満の減価償却資産までOKと上限が引き上げられました。
その背景にはおそらく物価が高騰傾向なことがあるのでしょうけれども、ならば総額の枠も引き上げてくれればいいところが、こちらは年間300万円以内で変わっておりません。
また、適用の対象となる事業者が、従業員数500人以下から400人以下に変更となっており、ここはむしろ要件としては厳しくなっています。
総じて、この改正は中小企業者等にとってプラスに働くものなのかといえば、ちょっと微妙な部分も多いな、というところです。
<2> インボイス制度の「経過措置」に係る見直し
インボイス制度の導入に当たっては、従来の免税事業者が不利なことにならないように、2つの特例が設けられていました。
いわゆる「2割特例」と、インボイス番号を取得していない事業者からの課税仕入れに係る仕入税額控除の特例です。
(1) 「2割特例」
前者は、本来ならば免税事業者であるはずの事業者が、取引の都合などによってT番号を取得して課税事業者となっている時に、令和8年9月末日を含む課税期間までに限り、その事業年度に係る消費税の納付税額を、売り上げに係る消費税額の2割とすることができる、という規定です。
今回の改正では、この「2割特例」が適用可能である期限が過ぎても、個人事業主のみを対象として、令和9年分、令和10年分の2年間については売り上げに係る消費税の3割相当額を消費税の納税額として良いという、「3割特例」の規定が設けられました。
インボイス番号取得へのインセンティブとなり得る特例でしたから、もっと全面的に期限延長をしてくるかと思っていたのですけれども、これはちょっと意外です。
(2) 仕入税額控除の特例
インボイス制度では、T番号を有さない事業者からの課税仕入れに関しては原則的に仕入税額控除の対象とすることができません。
つまり、その事業者に支払った消費税の分だけ、納付すべき消費税の金額が増えてしまうことになります。
ただ、これまでは普通に仕入税額控除に含めることが出来ていたものが急に一切含められないとなってしまうのは、さすがに納税者への負担が大きすぎるという指摘が出てきました。
そこでその観点から、インボイス導入から3年間(~令和8年9月30日)までは支払う消費税の80%を、そこから更に3年間(令和8年10月~令和11年9月)までは50%を、それぞれ仕入税額控除の対象とできるという特例が設けられました。
今回の改正ではこれが延長され、現在の80%控除が令和8年9月30日で終わるのは変わらないものの、そこから2年間(令和8年10月~令和10年9月)までは70%、次の2年間(令和10年10月~令和12年9月)は50%、最後の1年(令和12年10月~令和13年9月)は30%の控除が可能、という規定に変更となりました。
個人的には、納税額ということを見れば、確かにプラス材料な改正ではあるのでそこは評価しhているのですけれども、事務処理をいたずらにややこしくしている側面もあるのは否めないかなと思っています。
以上が、今回説明をしておこうと思った、普段の会計処理などにも多く関わってくる、特に大きな改正点になります。
もちえおん、今回の改正はこれだけではありません。
他にも幾つも変更となったことがあります。
当事務所の関与先様に対しては各担当がご説明しているかと思いますが、特に顧問契約等を結んでいるわけでも無く、このブログをご覧いただいている読者様につきましては、「この改正についても書いてほしい」というような項目がありましたら、コメント欄等でリクエストをしてください。
前向きに検討させていただきます。
