JR中央線・総武線快速の三鷹駅にて2022年4月開業予定である税理士事務所、平林会計事務所の税理士、平林です。
今回は前回に続き、「資本的支出と修繕費」について、ざっとですが、その判定方法などを書かせていただきたいと思います。
既存の固定資産に対し何らかの出費が行われた際に、その金額を資産として計上すべきか、それとも費用として計上するべきなのか。
その区分をする為には、まず、税法における「資本的支出」の定義はどういうものなのか、「修繕費」として費用処理をするのはどういうものなのか、その定義を知らなければならないでしょう。
法人税法では基本通達の第7章8節で以下のように規定されています。
「資本的支出」
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために
支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、
又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に
対応する金額が資本的支出となる。
「修繕費に含まれる費用」
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために
支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、
又はき損した固定資産につきその原状を回復するために
要したと認められる部分の金額が修繕費となる。
敢えて単純に言うならば、その修繕等をすることで
1)資産価値が高まったり使用可能な年数が伸びるなら
→「資本的支出」
2)現状回復、維持管理の為のものであるなら
→「修繕費」として費用処理
ということだと理解していただいてもいいかもしれません。
では、1)と2)との判断をどこでつけるのか、絶対にそれで正しいとまでは言い切れないのですが、20万円、60万円、3年以内、という数字が、判定の目安に使えるものとして挙げられます。
その内容を具体的に書いてみましょう。
・複数の年度に渡って行われる修理・改良である場合は
1事業年度につき支出額が20万円未満であること
・その修理・改良等が概ね3年以内の周期で
行われるようなものであること
・その修繕・改良の支出額が60万円未満であること
これ等の条件に適合したならば、その支出は資産計上せず、「修繕費」などの勘定科目を使って費用処理することになります。
資産計上と損金処理のどちらを選ぶべきかは、その会社のその時点での状況によります。
とはいえ、代金の支払いは既に発生しているわけですから、基本的には支払のあった事業年度に経費として損金経理をした方が法人税の額が圧縮できて、資金繰りの観点からは有利だと思われます。
前回と今回との2つのエントリーを使いでごく簡単に、固定資産に係る追加出費があった場合について、それを資産に計上しなくてはいけないのか、それとも費用として処理をすることができるのか、その判定についてご説明してきました。
とはいえ、ここで書いたことはあくまで概要で、この件に関する全てを網羅しているわけではありません。
上記の他にも費用処理の条件は幾つかありますので、その修理・改良等がどういう処理をするべきなのか決めかねる場合には、税理士などの専門家に相談されることをお勧めいたします。