国会の審議がほとんど進んでいないようにも見えたりしていましたが、それでも3月末には改正税法が決議され無事に国会を通過。
そこでは色々な改正項目が通っているのですが、それ以外にも、今年の5月以降についてこれまでと大きく異なる取扱いになり、納税者への影響も大きいものが1つあります。
昨年(令和5年6月)に国税庁が公表していた「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション」に出ていた話になるのですが……
税務署としてキャッシュレス納付を推進していきたいという意図から、令和6年5月以降発送分から、電子申告をしている等の一定の要件を満たす事業者には、「納付書」を事前送付しなくなったのです。
例えば当事務所の関与先様は電子申告にて申告を行うことを前提にさせていただいており、当然、この要件を満たすことになります。
事前送付がないとしても税務署に出向いて窓口で納付書を受け取ってくればいいのですが、これをいい機会と捉え、ここで思い切って納付方法をキャッシュレスに切り替えるのを検討するのも悪くないのではないかと当事務所は考えます。
ちなみに、TKCの会計ソフト「FX2」「DAIC2」「e21まいスター」をご利用の場合には、TKCの提供している「電子納税かんたんキット」を利用することでかなり簡単にキャッシュレス化することができます。
また、そうでない場合は国税の「自動ダイレクト」等の利用も、これからは有力な選択肢になってきます。
ただ、前者は納付期限までの好きな日付を引落日に選ぶことができるのに対し、後者は自動的に納付期限の引落になるので、利便性という点では前者にやや劣ります。
また、後者は場合により利用制限に引っかかり、ダイレクト納付ができないこともありますので、その点での使い勝手の悪さもあります(とはいえ、これに該当することはなかなか無いでしょうが)。
一方、前者も後者も、納付日(納付指定日)の朝一番で引落処理が行われるのですが、そこで残高不足で口座引落ができなかった場合に、再度午後などに引落を試みてくれたりはしないという点では同じです。
つまり、その時点で引落不能として処理がされてしまうのです。
場合によってはその結果として延滞税などが発生してしまうことも考えらえれますので、前日までに必ず、引落対象の口座に十分な残高を確保しておかないといけないという点には、注意しなければなりません。
今回は概要の話をさせていただきましたが、実際に自分はどのような対応をするべきか等、詳しいことを知りたい、聞きたいという事業者様は、当事務所の関与先であれば各監査担当に、そうでなければお近くの税理士や税務署他にお問合せしていただければと思います。