三鷹の税理士 平林 達夫 の日記

三鷹にある平林会計事務所の税理士、平林達夫です。税金に関する疑問、不安、不明事項、法人税務や確定申告、相続、新規起業に関する相談など、いつでもお気軽にご連絡ください。当事務所では、初回相談料は無料とさせていただいております。詳しくは、リンクの欄にあるホームページ等をご覧ください。

輸出物品販売場での免税販売の改正?

JR中央線総武線快速三鷹駅にて2022年4月開業予定である税理士事務所、平林会計事務所の税理士、平林です。

 

今月頭のことだからちょっと前の話になります。

訪日外国人への消費税の免税販売制度の悪用が目立つことから、旅行などで来日した「短期滞在者」以外の免税制度利用を禁止する(制度の対象から外す)という話が、読売新聞オンラインに掲載されていました。

空港の保税地域内にある免税店ではなく市内にある免税店(輸出物品販売場)は、「外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合」に、その物品の価格に消費財を課さずに販売をすることができることになっています。
( 「  」 内は観光庁 免税店HPより転載)

そもそも消費税というのは、国内で行われる消費活動に対して課税をする税金です。

なので、国外への持ち出しが前提の物品購入は課税の対象外になる、という理屈が先にあります。

しかし、消費税が間接税の形式であって、実際の消費者ではなく、消費者に物品やサービスの販売を行った事業者に対し納税義務を課していることから、実際には国内で物品やサービスを購入した場合には、その価格には消費税が(免税事業者からの購入で無い限り)必ず上乗せされていることになります。

販売する事業者の側からしてみれば、サービスはその場で消費されるので国内消費に決まっていますけれども、物品に関しては、その購入者が消費活動をどこで行うかは分からない。
そこで消費税法は、いわば一律的に、消費税の課税対象を「事業者が」「事業として」「対価を得て」「国内で販売した」サービスや物品という4つの要件を満たすものと規定しています。

ですから、私達が店で物を買う時には、そこに普通に消費税が乗ってくるわけです。

これは購入者が外国人でも同じことです。
一方で、購入した物品を持ったまま数日で出国することがほぼ確実な旅行者ならば、消費税は上乗せしなくてもいのではないか、という考えも、また成り立ちますよね。
そこで作られたのが、免税店の制度です。

所轄税務署に届出て許可を受けた店が一定の商品を非居住者に販売した場合は、消費税を上乗せしない免税価格とするというのが、この制度の概略になります。
現状では留学生等、ある程度長期間日本に滞在する者でも、入国から半年間であれば免税店の免税販売を利用できます。
しかし、これを悪用して、免税で購入した物を消費税込の価格で転売して利ざやを得たり、もしくは消費税抜の価格で手に入れて自らが国内で消費したりというような不正行為が疑われる購入が多くみられるということもあり、それを行えないようにしようということが、今回の改正案の背景にある話です。

それも当然という流れではありますが、不正をする者が出ることで制度が規制を強化するような方向で改正されることになるというのは、国外居住親族の扶養控除の件同様、あまり歓迎できる話では無いと思います。