JR中央線・総武線快速の三鷹駅にて2022年4月開業予定である税理士事務所、平林会計事務所の税理士、平林です。
いよいよ目前に迫ってきている消費税率の10%への改正。
これまで、それに伴って請求書の書式が変わることや、仕入税額控除についての変更点を5回に分けて説明してきました。
今回は、少し視点を変えて、改正により一般消費者の税負担が増加して消費が冷え込むことへの対策と同時に、キャッシュレス決済を推進せんとする「消費税還元事業」の話をしたいと思います。
既にご存知の方も多い事と思いますが、これは、対象となる中小・小規模事業者の店舗等(ECサイト含む)で買い物をして、キャッシュレスで決済をした消費者には購入金額の5%(FC等の場合は2%)をポイントの形で還元するという制度です。
増税により負担が増えるところをポイントを付与することで軽減し、キャッシュレス決済の普及も推進しようという狙いがあります。
対象となる中小・小規模事業者は業種により資本金又は出資金の総額と従業員数で制限がかかることになっていますけれども、さらに、課税所得が15億円以下ということもその要件の1つとなっています。
還元の対象となるキャッシュレス決済は、クレジットカードやQRコード決済、電子マネーの利用などになります。
一般的なものは対象になっていますけれど、自分が普段使っているものが対象になっているかどうかについては、事前に一応確認しておいた方がいいかもしれませんね。
ポイントの還元は決済事業者が行いますし、決済事業者には国から補助金が出るので、民間の側には基本的に費用負担はありません。
しかし、中小・小規模事業者がこれを機にキャッシュレス決済を導入しようとすると、インバウンドの外国人観光客を始めとした新たな顧客獲得を期待できると同時に、決済手数料が発生する等のデメリットも新たに発生することになりますから、慎重に検討する必要があるでしょう。
一方で、キャッシュレス決済に必要となる端末を購入する為の費用の援助であったり、還元期間中の決済手数料の一部免除といった、導入企業に対する施策も講じられています。
いずれにしても、じっくりと考えなければいけない問題であることは、確かです。